夜鷹のカッツェ

後藤カッツェの独り言

キノコバエとの戦い

  私の部屋が賑やかになった。新しい家具や照明を買ったわけではなく、友達を呼ぶようになったわけでもない。

 

キノコバエが大量発生し、毎日私は彼らと戦っている。

 

※虫画像注意

クロバネキノコバエ - Wikipedia

 

 

以前ブログで披露した通り、私は食用ハーブを育てている。すくすくと成長し、食べられれ大きさになったものもあれば、栄枯盛衰のように双葉が生い茂った後に枯れてしまったものもある。(私が剪定を怠ったために本葉を芽生えさせることなく死んだ)初めはすくすくと育っていたバジル・シソ・パセリ・コリアンダー達。双葉が出始めたら時に招かれざる客がやってきた。クロバネキノコバエである。初めに異変が起きた鉢はバジルであった。バジルは虫が良く好み、害虫駆除か必須なハーブである。人間が美味しく生で食べられるものなら他の動物達にだって食べやすいわけである。双葉に虫食いがポツポツと目立ち始めた。私は剪定も鉢作りも省いてしまうズボラであるために、虫食いが出てきても"まぁ、自然だし仕方ないか少し程度"とお気楽MAXで放置した。虫食いを受ける葉は増え始めても放置した。完全室内飼いハーブだからと油断した。仕事から帰った夕方に窓際で育てているハーブに水をあげようとカーテンを開けると………

 

 

 

ブーンブーーーンブーーーーーーーーーーーン!!!エヴィバーーデ!!!ブーーンブーーンブブブブーーーーーン!!セイyes!!ブーーーーーーーン!!!ブンブンブンブンブンブーンインフルエンサー!!!!!!ブーンブーーーーーン!!!!!

 

 

 

 

ひゃーーーーーーーーーーー!!!!!!!

 

 

 

黒ごまのようなハエが数十……いや数百かもしれない量発生してしまっていた。なんということでしょう。匠のハーブガーデンはなんとキノコバエ達のオアシス。食べやすい若葉を生い茂らせたことでハエ達の癒し空間を演出。たくみのきめ細やかな配慮によってキノコバエ達は水を得た魚ならぬ、餌に群がるハイエナように生き生きしているではありませんか。………いやいや困る。困りますから、私の手料理に彩りを添えるために育てた箱入りハーブがどこの馬の骨かわからないキノコバエ達に手をつけられるなんて想像していませんから。一瞬心が無になった私は落ち着いて部屋とハーブを隔てているカーテンを閉めた。窓とカーテンの間はハエ用ガーデンみたいになってるけど、被害がキッチンに来ないためにもカーテンを閉めて、片手に持っていた文明の利器すまほをタップした。「観葉植物 ハエ 大量発生 」「コバエ 駆除 方法」 「コバエ お気軽 殺虫剤」 ………黙々とGoogle検索をかけてキュレーションサイトを見たりした結果、殺虫剤が無いご家庭(カッツェハウス)向けに酢水スプレーで撃退!を参考にした。スプレーボトルが無いため、ガーゼに浸してみた。ガーゼに浸した酢水をえいやとハエガーデンの空中を舞わせる。ハエに交わされるガーゼ。イライラが募る。"外に出してないのに……なんで……私はただ一人暮らしの部屋に癒しが欲しかっただけなのに……ペット禁だから仕方なくハーブ育ててみただけなのに……どえして………全てアベ政権が悪いんだ………アベ政権許すまじ)と最終的に論理が飛躍しすぎたのはご愛嬌。特に政治が悪いわけでもなく、私が無精なのが悪い。唐突に怒りが芽生えた。弱者に手を上げるのは私の倫理に反するが、私の部屋の安寧を揺るがす存在は許せない。ひらひらと舞うガーゼが凶器と化した。酢水を浸したガーゼで空を舞う小さなハエ達を握りつぶした。初めてハエを殺す感覚はあっけなかった。感情を無にしてプツリプツリとハエを潰すマシーンと化した。小さい頃から動物が好きだった。ゴキブリだって殺さずに見逃す程に心優しいカッツェ。1人暮らしは自分一人で生きていかねばならない。強くなる必要がある。強くならねば生きていけないのは生き物のさだめといえよう。こうして私はハエを人力で殺して部屋の平和を守った。疲れた私は床についた。もうハエが出ませんに、明日蚊取り線香を買おう。

 

 

 

 

 翌日仕事から帰るとまた大量発生していた。どうやら土に卵がある限り、私の戦いは続くようだ。仕事帰りに買った蚊取り線香に火を付けた。夏の風物詩を室内で視界が霞みがかるくらいに焚いた。目が痛い。手に癒着してるのかな?ってくらいに愛用しているiPhoneで「蚊取り線香 人体」と検索し、人体には影響が無い事を確認してから痛む目を閉じた。明日殲滅していますようにと願いを込めた。室内は蚊取り線香臭、体臭も蚊取り線香ローズの香りになってしまったけれど、不快動物の駆除のためには致し方ない。ハーブ周囲をブンブン飛び回る不快なハエの量は初日よりは少なくなった、相変わらずハエは我がハーブガーデンを数匹飛び回っているが、このキノコバエの寿命はせいぜい4日〜7日程度らしい。ハーブ周囲を飛び回り、家主の私の気分を不快させるだけ。ハエの立場になってみれば4〜7日間に恋バエと出会い恋をして子どもを作り死んでいく。公害の如く蚊取り線香を焚かれるハエ達に少し申し訳無い気持ちもありつつも、私がこの家の女王。私が法律。今後も私が不快にさせるようなハエ数になったら蚊取り線香を炊く法律が我が家にできた。私はこれからハーブを作る際は土を使わずに水耕栽培にしようとかたく決意した。土を使うとどうしても虫が発生しやすいそうだ。もし土を使うよであったら、加熱処理や殺菌処理したものがいいらしい。今のハーブ達が全て枯れてしまったあかつきには、この忌まわしき土を市の仰ぐ処理方法にて処分したいと思う。